親子の絆を深める魔法


パンダ4 生まれた日のお話ブランコぱんだ




日曜日午後7時 毎週来て欲しくない時間。


足の集中訓練を受けている娘と離れる最もつらい時間。


小さな娘の車椅子を押しながら帰る療育園への道。


それは10分間程の道のり。


おたがい離れるのが淋しくて でもそれを考えないように


来週何をして遊ぶかという話をしたり


プラスの話をしたり面白おかしい話をして 療育園へ向かう。 



今夜 私は娘に「ママが生まれていちばんしあわせを感じた日」の話をした。





「ももちゃんの心に覚えていてほしいことがあるの」



「とっても大切な大切なおはなしだよ」




「ももはきっとママの見えないところでいろんな想いをしてると思う」




「つらい想いも 淋しい想いも いっぱいいっぱい・・」




「でも ももは離れていても決してひとりぼっちじゃないよ。 


彼女は静かに母の言葉を聞いていた。



 「ママはいろんなももの気持ちを感じてるよ」





「今からママがいちば~ん生まれてしあわせだなってこころに感じた日の話をするね」



「それはいつだと思う?」



「ももちゃんが生まれた日!」



「そう」



「いつもお話してるよね」



「ももちゃんが生まれた日よ」



「ももはママが夢で見たとおり 夢で生まれる日を教えてくれたよね」



「赤ちゃんが生まれるときは どのお母さんも



 本当におなかも身体も痛くなって絶えられないくらい痛くなるのよ」



「ママも本当にこんな痛みがあるのかと思うほど痛かった」



「でもね おぎゃ~ってももが生まれた時 



嬉しくて喜びでぜ~んぶ痛いの消えちゃった!」



「とっても感動してこころが震えたんだよ。


 本当にかわいかったんだよ」



「ももはすぐに一生懸命ママのおっぱいを吸おうとがんばっていたよ」


生まれてすぐからママの隣でももは添い寝していたんだよ。



生まれた日からママと手をつないで眠ったんだけど


ママは嬉しくて朝まで眠れなかった・・・


ももの手は それは小さい小さい手で


もみじの葉っぱよりも小さくて 


その手がママの人差し指をぎゅうって一生懸命にぎってて、、、


ものすごく感動したの。



気がついたらきれいな朝日が入ってきて朝になっちゃった。


外を見るとね 雪が朝日で光ってた。


まるで ももちゃん生まれてきたことおめでとう!って言ってるみたいだったよ



それがももが生まれた日のおはなし」





「ももに忘れないでほしいことは


ももは愛されて生まれてきたということ。


ももが生まれてくる日をママはずっと待っていたこと。


それから ももはママの大切な大切な宝物であること。


ずっとずっと 覚えていてね 



忘れたらまたママお話してあげるね



成長がとてもゆっくりの愛娘。


ゆっくりならばゆっくりでいい。


あわてなくていい。


いっしょに歩んでいこう


ママはずっとあなたの成長を見ていくから。




何度でもあなたに生まれた日のことを語ろう。



誰もが自分は愛されて生まれてきたときっと思いたいと


私は思っている。


(私も伝えて欲しかったな、、、)






「ももちゃんの心には届きましたか?」





「はい」




彼女は小さな声で言った。



その後素敵な言葉のプレゼントをくれた。






「ママ 世界でいちばん大好き」



「ありがとう」



「ママも大好きだから」



「そのままのももがママは大好きだから」



「ももはもものまんまがいちばんいいんだよ」




言わないと伝わらない想いがある。



人の一生はどこまでかなんて誰にもわからない。


だから私は感じたその時に 娘に想いを伝えていきたいと思っている。


娘だけではなくて 周りの人たちみんなにそう。


素直にステキなものは素敵だと伝え 感激したら感激したと


よかったらよかったと


少し残念だったら よかった部分は誉めて


さらに こうしたらもっとすごくよくなるなあ♪って伝える。



みんなにしあわせになってほしいから。




ももちゃん、あなたのこころの宝箱に母の言葉も入れといてね。


☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆


親の愛がなければ 生まれてくることはできない。


みんなみんな本当は愛されて生まれてきている。


この世に生を受けることは本当にすごいことだと思う。







ももが生まれた日


私は 母に初めて心から感謝することができた。



「お母さんはこんなつらい思いをして私を生んでくれたんだね」


(私の出産は実に大変で母はかなり苦しんだと聞いていたが


全然ぴんときてなかった。3人も生んだ母強し、、)


「こんなにこんなにつらかったなんて」涙が出た。



「お母さん本当に私を生んでくれてありがとう、、」




母は優しく微笑んだ。


それまで厳しかった母とはその後 実に友達のような関係で

色んな話ができるようになった。


親になってみて 初めてわかることはたくさん



今だってそう毎日その連続のような気がする。



小さな娘によって私も成長させてもらっている。



育児は育自。



「ママがももちゃんのママでよかった」といつか


思ってもらえるように(嫌いって言ってみたり好きって


いってみたりの娘)



私は私らしくいつも輝いていたい。


 

私は私らしくそれがいちばんいい。



そしてあなたはあなたらしくがいちばんいい。


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